犬の栄養 ☆カルシウム☆







 カルシウム 


 骨が硬いのは、カルシウムが沈着しているからです。
 しかも、骨や歯に含まれるカルシウムは常に新陳代謝を繰り返し、新しく生まれ変わっています。
 したがって、代謝により体外に排出される分は、毎日の食事から補給する必要があります。

 食品中のカルシウムは、小腸で吸収され、血液に入った後、ホルモンやビタミンDなどの作用に
 より、骨に沈着していきます。


働き
 1)骨や歯の構成成分
    リン、マグネシウムなどとともに、骨や歯を形成し健康を維持します。

 2)心臓の鼓動を保ち、筋肉の収縮をスムーズにします。

 3)神経の興奮を鎮め、精神を安定させます。

 4)血液を固めて出血を防ぎます。

 5)各種ホルモンや唾液、胃液などの分泌に働きます。

 6)細胞の分裂、分化を促します。
 
 7)白血球の食菌作用を助けます。

 8)体内の鉄の代謝を助けます。

 9)体液、血液の恒常性を維持(微アルカリ性に保つ)します。


要求量・推奨レベル


成長期
(カッコ)内は
月齢
維持期 妊娠期 授乳期
(カッコ)内は
子犬数
ライフ
ステージ
指定なし
AAFCO
(乾燥重量に
つき)
1.0〜2.5% 0.6〜2.5% 1.0〜2.5% 1.0〜2.5%
NRC
(上段:
乾燥重量
下段:
体重につき)
1.2%(DM) 0.4%(DM)
545*
mg/kg(BW)
65
mg/kg(BW)
CVMA
(乾燥重量に
つき)
1.1〜4%
日本
ドッグフード
公正取引規約
(乾燥重量に
つき)
1.1%
ドイツの資料
より
(体重につき)
(2)
390〜585
mg/kg(BW)
70〜100
mg/kg(BW)
165
mg/kg(BW)
(<4)
250
mg/kg(BW)
(3)
400〜525
mg/kg(BW)
(4〜6)
425
mg/kg(BW)
(4)
355〜420
mg/kg(BW)
(>6)
495
mg/kg(BW)
(5〜6)
240〜305
mg/kg(BW)
(7〜12)
120〜145
mg/kg(BW)

 AAFCO: 米国飼料検査官協会 (Association of American Feed Control
                                              Officials)
       Official Publication, 1999 より引用
       最少栄養要素求量〜最大栄養素許容量 です。

 NRC: 米国学術研究会議 (National Research Council)
     National Academy Press, 2006 より引用
     上段は、わんごはんの乾燥重量につきの値、
       下段はわん体重1キロにつきの値です。
  
*1: 成犬時の体重が25キロ以上になる乳離れの終わった仔犬の場合、14週齢までは
      カルシウム摂取量が540mg/kg(BW)を下回ってはならない。

 CVMA: カナダ獣医医療協会 (Canadian Veterinary Medical Association)
      Pet Food Certification Program.
      Canadian Veterinary Medical Association, 1993 より引用

 ドイツの資料より: 文字通りドイツの資料です
(^^;。 
             パソにドイツ語フォントが入っていないため、
             正しい表記ができませんでしたm(_ _)m。
             わんの体重1キロにつきの値になっています。


欠乏症
 カルシウムが不足すると、雌の犬猫の出産・授乳時に痙攣が起きやすくなります。
 その他、成長抑制、食欲低下、骨の石灰化の抑制、跛行(はこう:歩行が正常でないこと)
 自然骨折、歯のゆるみ、テタニー(筋肉の持続的な硬直、突っ張ったように震えること)、
 痙攣、くる病などが起こります。

 また、肉(筋肉)類にはリンが多いので、カルシウムとのバランスを考えず、
 肉(筋肉)の多い食事を与えていると、
 カルシウム欠乏症(症状:いらいら、跛行《はこう:歩行が正常でないこと》、筋肉の痙攣、
 動悸、湿疹、骨密度の低下、骨粗鬆症、歯肉のびらん、コレステロール値の上昇、発作、
 出血、高血圧、関節炎、繁殖困難、骨折)が現れます。


過剰症
 食餌効率と摂取食事量の低下、ネフローゼ、跛行(はこう:歩行が正常でないこと)、
 助軟骨の接合部分の肥大などが起こります。
 また、過剰なカルシウムは、オキサロ酸カルシウム結石以外のカルシウム尿石の危険因子と
 なります。

 カルシウムの過剰は、成犬よりも急速に成長中の動物にとって有害であり、それは、とくに
 大型・超大型品種の子犬に当てはまります。


供給源
 骨: 
 
 卵の殻: 家庭で卵の殻を乾燥させ、粉状にひいて、自家製炭酸カルシウムパウダーを
       作ります。卵の殻1個分で、約小さじ1杯のパウダーが出来上がり、これには、
       1,800mgのカルシウムが含まれるそうです。
    

 カルシウムサプリメント(市販フードに添加されているものも含む)として
  炭酸カルシウム(石灰岩、貝殻など)、クエン酸カルシウム、硫酸カルシウム、
  塩化カルシウム、グルコン酸塩カルシウム、乳酸カルシウム、
  リン酸カルシウム(ボーンミール、魚の骨粉など)、L型発酵乳酸カルシウム
  などがあります(カルシウム量は各サプリメントによって異なります)が、
  塩化カルシウム、硫酸カルシウムは、尿pHを低下させ、
  炭酸カルシウムは尿pHを上昇させると言われています。

 
カルシウムを多く含む食品(カッコ内は100g中に含まれるカルシウム量)
    (科学技術庁資源調査会編 〔五訂日本食品標準成分表〕より引用)

  パルメザンチーズ (1,300mg)
  エメンタールチーズ (1,200mg)
  (ちなみに、カッテージチーズのカルシウム量は55mg/100gと、上記2種のチーズに
  比べかなり低い値となります。)
  スキムミルク (1,800mg)
  煮干 (2,200mg)
  ひじき (1,400mg)
  干しえび (7,100mg)
  ゴマ (1,200mg)

  などがあります。
 
 
カルシウムの吸収を助けるもの、阻害するもの
 カルシウムは食品によって、吸収率が違います。
 牛乳、乳製品で約50%、小魚類で約30%、野菜類で約18%です。
 (人間の場合の数値です)

 牛乳の吸収率が高いのは、牛乳に含まれる乳糖や、リジン、アルギニンといったアミノ酸が
 カルシウムの吸収を高め、カゼインが消化されるときに生じるカゼインホスホペプチド
 (CPP)がカルシウムの吸収を促進するからです。
 酢・レモン・りんごなどに含まれるクエン酸もカルシウムの吸収をよくします。
 
 逆に、シュウ酸や、豆・穀類に含まれるフィチン酸、食物繊維は、カルシウムの吸収を阻害
 すると言われています。

 また、ビタミンC、Dは骨にカルシウムが沈着するのを促進します。

 カルシウムサプリメントは、基本的に吸収が良いように作られているものがほとんどですが、
 最近の研究によると、クエン酸カルシウムは、炭酸カルシウムや他のカルシウム剤より
 吸収が良いそうです。


 
カルシウムの吸収を阻害すると言われるものでも、適量であれば、問題ないと思います。
    バランスが大切なのではないでしょうか。

    と、ビタミンC(アスコルビン酸カルシウム)を多量に与えてる場合は、それに含まれる
    カルシウム量も結構なものになります。

    例:我が家で使用しているアスコルビン酸カルシウム(エスターC)の場合、
    小さじ1杯でビタミンCが2000mg、カルシウムが250mg
    →毎日VC500mg与えると、62.5mgのカルシウムがモレなくついてくるワケです。


注意
 テトラサイクリン系の抗生物質、キノロン系抗菌剤を服用している場合、カルシウムが、
  薬の働きを妨げるので、時間をずらして服用しましょう。


  
ろばのつぶやき・・・ 骨折りホネばなし

 骨が一番のカルシウム源と容易に想像はできても、果たしてどれくらいあげたらいいものか、
 悩みどころです。
 あげすぎると、便秘、下痢を起こしますし、もちろん、カルシウム・リンの過剰摂取も心配です。

 我が家のばばさま犬(アフガンハウンド)は、骨を食べたあと、吐き戻すことがよくあります。
 吐き戻しの際、器官を傷つけるのではないかと、これまた心配。。。
 (加熱していない場合、骨のまわりについている肉が噛み砕くことで鋭利になった骨先を
 うまい具合に包み、器官を傷つけない。加熱していると骨と肉が分かれやすくなるので危険。
 と聞いたことがありますが、心配は心配さぁ・・・)

 本人(犬)も、大好物ではないらしく、器から手羽を出し、他のものを全部食べ終わって、
 気がむいた時だけ、手羽にも口をつける。という具合です。
 そういう子には、無理に骨を与える必要もないかと、たまに与える程度にして、
 他のカルシウムサプリメント、骨ごとミンチ(オーガニック鶏ガラをミンチにしたもの、
 ホネホネ感はまるっきりありません)を召し上がっていただいてます。

 もう一人の子(グレピ)は体も大きいし、若い事もあるのか、何の躊躇もありません。
 音だけ聞いてると、タクアンでもかじっているみたいです。
 この子の場合、あまり心配せずに、骨入りメニューを作れます。
 が、毎回骨入りメニューではなく、カルシウムサプリメントを使用したメニューも作っています。

 我が家で与えている骨、現在は手羽のみに限定していますが、今まで色々試してみました。
 牛・ラム・豚のあばら(豚は加熱しました)、鶏のガラ、(鶏)首だけ・・・、

 あばら系・・・食べ終わるのにかなりの時間を要し、飽きて途中でポイすることが
          ほとんどでした。

 (鶏)首・・・骨食を始めやすい部位だと聞きましたが、首骨には、丸い思いっきり硬い骨があり、
        小さい子には危ないそうです。
        (与える場合は、自分の手で確かめてからの方が、いいかもしれませんね)
        首全重量につき骨の占める割合は不明。(某養鶏所・所長さん談)

 鶏のモモの骨・・・割った際、もっともするどく裂ける部位で、万が一の際に一番危険な部位だ
            そうです。ちなみに、鶏モモ肉の骨は(骨付きモモ肉)全重量の10〜20%
             を占めるそうです。(同じく某養鶏所・所長さん談)

 ガラ・・・頭はないけど、首までしっかりついていて、結構グロイです。
      それを腕力と包丁で解体します。
      バリバリ・ベリベリ・ミリミリと音がします。
      ちなみに(関係ないけど)私はベジタリアンです。
      作業毎に、「カッコーの巣の上で」のJ・ニコルソン、「13日の金曜日」のジェイソン、
      「羊たちの沈黙」のA・ホプキンスの どアップ が頭の中をぐるぐる回り・・・
                  ☆★☆ 3ヶ月で挫折しました ☆★☆
      代わって 養鶏→解体→販売してくださっている皆様には、ただただ感謝です。

 などと、消去法で残ったのが、鶏の手羽だったワケです。

 ちなみに、鶏の背、首(皮なし)、モモ(皮つき)、手羽(皮つき)の骨つきの成分値が載っているサイト
 がありまして(英語)、以下の表は、そちらからお借りしたものです。

骨つき肉の成分値
鶏背 100gにつき そのままの状態 乾燥重量につき
水分(%)

63.88

 
たんぱく質(%)

14.74

40.80

ナトリウム(%)

0.09

0.25

リン(%)

0.48

1.32

カリウム(%)

0.20

0.57

硫黄(%)

0.15

0.41

カルシウム(%)

0.74

2.05

マグネシウム(%)

0.03

0.08

銅 (ppm)

<2

<2

鉄(ppm)

<10      

<10      

マンガン (ppm)

<1       

<1       

亜鉛(ppm)

20

154

脂質(%)

18.02   

49.90



鶏首(皮なし)
100gにつき
そのままの状態 乾燥重量につき
水分(%)

72.10

 
たんぱく質(%)

16.09

57.67

ナトリウム(%)

0.09

0.32

リン(%)

0.84

2.99

カリウム(%)

0.20

0.70

硫黄(%)

0.16

0.56

カルシウム(%)

1.50

5.37

マグネシウム(%)

0.05

0.16

銅(ppm)

<2

<2

鉄 (ppm)

<10      

<10      

マンガン (ppm)

<1       

<1       

亜鉛(ppm)

1554

5572

脂質(%)

7.22     

25.88


鶏モモ(皮つき) 
100gにつき
そのままの状態 乾燥重量につき
水分(%)

69.14

 
たんぱく質(%)

17.27

55.96

ナトリウム(%)

0.08

0.25

リン(%)

0.69

2.23

カリウム(%)

0.17

0.57

硫黄(%)

0.23

0.74

カルシウム(%)

1.19

3.86

マグネシウム(%)

0.04

0.13

銅(ppm)

0.5

2

鉄 (ppm)

<1       

<1       

マンガン(ppm)

0.5       

2         

亜鉛(ppm)

29

94

脂質(%)

10.07   

32.62


鶏手羽(皮つき)
100gにつき
そのままの状態 乾燥重量につき
水分(%)

68.01

 
たんぱく質(%)

18.04

56.41

ナトリウム(%)

0.05

0.17

リン(%)

0.44

1.38

カリウム(%)

0.23

0.71

硫黄(%)

0.15

0.48

カルシウム(%)

0.62

1.94

マグネシウム(%)

0.03

0.10

銅 (ppm)

<2

<2

鉄 (ppm)

<10      

<10      

マンガン (ppm)

<1       

<1       

亜鉛 (ppm)

17

52

脂質(%)

12.33   

38.54


以上 骨つき肉の成分値 参考サイト: http://www.barfworld.com/


 骨つき肉って、手羽1本でも、結構なカルシウムが摂れますし、骨には当然骨髄も含まれていますし、
 嘔吐、消化不良などの問題がなければ、かなり おいしい食材 ですよねぇ。
 と思いつつも、骨入り、骨なし両メニューを作るあたしって・・・
(_ _;))))))))


以上です。お疲れ様でした。
 長いこと、まどろっこしい文章を読んでイライラしてらっしゃいませんか?
 イライラにはカルシウムをどうぞ(^^)



With deepest sympathy and heartiest appreciation for all the dogs involved in the studies.



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